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2008年11月29日 (土) | Edit |
1954年製作アメリカ作品。
南北戦争後のメキシコを舞台に2大スター(ゲーリー・クーパー、バート・ランカスター)が共演する西部劇。

南北戦争の敗戦で一文無しになった南軍の大佐ベン(腕利きガンマンで紳士)。失われたものを取り戻す為、皇帝軍と農民軍との内戦が続くメキシコに、単身、一獲千金を夢見てやってきます。その道中、有名な無法者で野卑な凄腕ガンマンのジョー(自分とお金以外は信じない)と知り合い、そのままジョー率いる無法者集団と行動を共にします。正反対のベンとジョーですが、なぜかウマがあい、かすかな友情まで生まれていました。
途中訪れた町で、メキシコ皇帝の傭兵になることができ、港町ヴェラクルスまで伯爵夫人の馬車と荷物の護衛の任務を与えられた、ジョー率いるならずもの集団及びベン。報酬も破格で、大喜びで任務を引き受けますが、その任務には裏がありました。伯爵夫人の護衛というのは表向きで、実は大量の金貨を運んでいたのです。それを知ったベンとジョーは金貨の横取りを企てますが、メキシコ農民反乱軍もそれを狙っており、伯爵夫人も独自に横取りを企んでいました。そして皇帝側も盗まれる事のないように策を講じていたのでした・・・

参考動画

製作、ジェームズ・ヒル
監督、ロバート・アルドリッチ
原作、ボーデン・チェイス
脚本、ローランド・キビー、ジェームズ・R・ウェッブ
撮影、アーネスト・ラズロ
出演、ゲーリー・クーパーバート・ランカスター、デニーズ・ダーセル、シーザー・ロメロ、ジョージ・マクレディ、アーネスト・ボーグナインチャールズ・ブチンスキー(チャールズ・ブロンソン)、ジャック・イーラム

2大スターの豪華共演ですが、バート・ランカスターゲーリー・クーパーに勢いの差のようなものを感じます。50代半ばのクーパーと、40代になったばかりのランカスターの歳の差が、そのままあらわれたのでしょう。
脇役もアーネスト・ボーグナインチャールズ・ブロンソンなど、こっそり豪華です。

全編メキシコロケで作られており、町をぐるりと360度囲むメキシコ農民の大軍勢やメキシコのピラミッド遺跡での騎馬隊の行進、要塞での軍勢同士の戦いなど、結構スペクタクルです。
要塞での戦闘でガトリング砲を主人公が使う場面があり、ひょっとしたら「続・荒野の用心棒」に影響を与えているかもと思いました。
アルドリッチ監督の演出も手堅い、盛りだくさんの娯楽活劇です。

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2008年11月19日 (水) | Edit |
1989年アメリカ作品。
ホラー小説が現実を侵食するホラー。

本好きで女優志望のバージニア。勤めている古本屋で、「異常性と原罪」「アイ,マッドマン」という本を見つけ読み始めます。その本の内容は、人間とジャッカルの子を遺伝子操作でかけ合わせた博士の話や顔のうち目以外全てを削ぎ落とした狂った殺人鬼の話で、一見三文小説のようですが、その出来は素晴らしく、まるで現実に起きた出来事のようでした
夢中で読み進めていたバージニアですが、身の周りで小説に書かれているような残忍な殺人事件が起こり始め、同時に目の前に、目以外を削ぎ落とした男が現れるようになり・・・

予告編

製作、ラファエル・エイゼンマン
監督、ティボー・タカクス
脚本、デヴィッド・チャスキン
撮影、ブライアン・イングランド
音楽、マイケル・ホーニッグ
出演、ジェニー・ライト、クレイトン・ローナー、ランダル・ウィリアム・クック、ステファニー・ホッジ、ミシェール・ジョーダン、スティーブ・メメル

この作品で狂気の殺人鬼を演じたランダル・ウィリアム・クックは、元々はストップモーションアニメーターで、この作品でもビジュアル・イフェクツも担当しています。後に「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでアカデミー視覚効果賞を受賞しています。

ストップモーション・アニメで描かれたクリーチャー”ジャッカル・ボーイの姿と動きがとてもユニークで、それだけでも観る価値があると思います。
アシモフの小説「アイ,ロボット」をもじったような「アイ,マッドマン」(直訳すると私、キチガイ男)などの題名で、安っぽいパルプ小説とみせかけ実は・・・っていう皮肉なアイデアと、現実と小説の中身を同時に進行させていくという演出が冴えていて、観ていて退屈する事のない、小気味好いホラーです。

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2008年11月15日 (土) | Edit |
1994年アメリカ作品。
ブランドン・リー主演にして遺作のダーク・ゴシック・アクション。

ある荒廃した犯罪都市。あらゆるものが腐敗しています。
通称悪魔の日とよばれる、犯罪多発の日。
結婚式を前日に控えたカップル、気のいいロック青年エリックと美しくやさしいシェリーは、幸福の絶頂にありました。しかし、そんな彼らに、悪魔の手が忍び寄っていました。
街のゴロツキ共に部屋に押し入れられ、エリックはナイフで刺されたあと、住んでいる最上階の部屋から投げ捨てられ惨殺。シェリーは、さんざん暴行されたあと、病院の集中治療室で力尽きます。
それから一年後。
大いなる苦しみと共にカラスの導きで冥府から蘇えったエリック。不死身の体を手に入れ、復讐の天使となったエリックは、自分達を殺したゴロツキ共に、死の裁きを与えていきますが・・・

予告編

製作、エドワード・R・プレスマン、ジェフ・モスト
監督、アレックス・プロヤス
原作、ジェームズ・オバー
脚本、デヴィッド・J・スコウ、ジョン・シャーリー
撮影、ダリウス・ウォルスキー
音楽、グレアム・レヴェル
出演、ブランドン・リー、アーニー・ハドソン、マイケル・ウィンコット、デヴィッド・パトリック・ケリー、ローチェル・デイヴィス、バイ・リン

アレックス・プロヤスの他の作品に「ダーク・シティ」「アイ,ロボット」などがあり、独特の映像美に定評のある監督です。
ブランドン・リーは、言わずと知れたブルース・リーの息子で、この映画の撮影中、空砲のはずの小道具の拳銃に実弾が装てんされており、その弾が命中し帰らぬ人となってしまいました。28歳の若さでした。

特典ディスクに原作者のコミック作家ジェームズ・オバーのインタビューがあるのですが、オバーは幼少に施設に預けられて育ち、19歳の時にオバーにとって唯一の生きる希望だった婚約者が、酒酔い運転の車にはねられ事故死してしまったそうで、クロウというコミックは、そんな自分の癒しの為に書いたということです。ちなみに昼間は働きながら、9年がかりで仕上げたそうです。
この映画は、白と黒を基調にしたミルトンやポー的な世界観で描かれたゴシックな映像美が素晴らしく、さらには娯楽性も高く、完成度の高い作品になっています。
絶望の中でのかすかな光、その光を信じて生きていく勇気が貰える、個人的に大好きな映画です。

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2008年11月13日 (木) | Edit |
2006年アメリカ作品。
ゲームと現実がシンクロするB級ホラー。

親友のルーミスから、ステイ・アライブという凄いホラーゲームがあるから一緒にプレイしないかと誘われた、ゲーマーのハッチ。その日は用事があったので断りましたが、なんと翌日、ルーミスが天井から吊るされた状態で死んでいるのが発見されます。
親友が変死し、落ち込んだ姿で葬式に参列したハッチは、ルーミスの幼い妹に、親友の形見として遺品を貰い受けます。そして、その遺品の中には、ステイ・アライブというゲームも入っていました。
5人の友人達と、そのステイ・アライブというリアルなホラーゲーム(ネット通信)をプレイし始めたハッチですが、そのゲームには恐ろしい秘密が隠されていました。それは、ゲーム内で死んでしまうと、その通りの死に方で、現実でも死んでしまうというものでした・・・

予告編動画

製作総指揮、ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム
製作、マックG、ピーター・シュレッセル、ジェームズ・スターン
製作、脚本、マシュー・ピーターマン
監督、脚本、ウィリアム・ブレント・ベル
撮影、アレハンドロ・マルチネス
音楽、ジョン・フリッゼル
出演、ジョン・フォスター、サマイア・アームストロング、フランキー・ムニッズ、ジミ・シンプソン、ウェンデル・ピアース、マイロ・ヴィンティミリア、ソフィア・ブッシュ

ほとんど無名の若手役者ばかりですが、TVシリーズ「マルコム・イン・ザ・ミドル」で主人公のマルコムを演じていたフランキー・ムニッズが出演しています。

この映画は、ゲーム的(≒安っぽい)なCGがふんだんに盛り込まれており、ゲーム好きな子供は楽しく観れるかもしれません。ストーリーもホラーアドベンチャーゲームのシナリオみたい(薄っぺらな)ですし。
日本のホラー映画やゲームの影響が色濃いので、その手のものが好きな人は、親しみやすく観やすいだろうと思います。時間も短い(90分弱)ので、サラッと観る事ができますよ。

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2008年11月08日 (土) | Edit |
1973年イギリス作品。
英国ハマー・プロのドラキュラ・シリーズ第8作。

悪魔を崇拝する謎の教団に潜入捜査していた捜査官ハンセン。教団に見つかり拷問を受けながらも隙を見て脱出に成功しますが、その傷は重く、まもなく死亡。その捜査官ハンセンの残した5枚の写真には、ロンドン郊外での悪魔崇拝の儀式に参加する、政府高官や高名な教授、経済界の大物などソフィスティケートされた人物達の姿が写っていました。
政府の高官が含まれている為、表立って動けない情報部は、腕利きのマレー警部とオカルトに詳しいヴァン・ヘルシング教授に事件の捜査を依頼。
マレー警部とヴァン・ヘルシング教授、そして教授の孫娘ジェシカは、教団とその背後にいるデナム財団を調べ始めるのですが・・・

予告編

製作、ロイ・スケッグス
監督、アラン・ギブソン
脚本、ドン・ホートン
音楽、ジョン・カカヴァス
撮影、ブライアン・プロビン
特殊効果、レス・ボウイ
出演、クリストファー・リーピーター・カッシング、マイケル・コールズ、ジョアンナ・ラムリー、ウィリアム・フランクリン、フレディ・ジョーンズ、リチャード・ヴァーノン

クリストファー・リーはドラキュラ伯爵役で、ピーター・カッシングはドラキュラ伯爵と対決するヴァン・ヘルシング博士役で、共に有名です。映画では死闘を繰り広げる2人ですが、私生活ではとても仲が良かったそうです。ちなみにハマー・プロ製作のドラキュラシリーズで共演しているのは、第一作「吸血鬼ドラキュラ」と第七作「ドラキュラ’72」、そして今作です。

この作品は、前作「ドラキュラ’72」続編です。吸血鬼映画とスパイ映画をミックスしたような作りで、なんとかマンネリを打破しようという作り手の苦労(迷走)がしのばれます。まぁ多少の難はあれど、クリストファー・リーのドラキュラはやっぱり迫力満点だし、ピーター・カッシングもその存在だけで作品に重みを与えていて、それだけでも観る価値は充分にあると思います。ドラキュラの手先のバイカー集団のナイスなチョッキも必見?です。

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2008年11月02日 (日) | Edit |
1965年製作アメリカ映画。
ロバート・アルドリッチ監督が豪華キャストで描く傑作脱出劇。

サハラ砂漠を横断し、ベンガジに向かうプロペラ輸送機。途中、激しい砂嵐に遭遇。エンジンが故障し、墜落の危機に。
ベテラン機長フランクとナビゲーターのルーは、必死に機体を立て直し、不時着に成功しますが、そこはサハラ砂漠のど真ん中。機体も破損し、救助を待つのみです。さらには着陸の際、大破した機体の下敷きになり、乗客の2人が死亡。1人は重傷で動けない状態に。
そのまま救助を待つ機長と乗客達(10人程度)でしたが、精神に異常をきたすものや、自力で砂漠を脱出するもの、自殺者が出てきたりで、だんだん身も心も追い詰められていきます
頻発する砂嵐で救助も期待できず、水も残り少なくなり、皆の間に絶望が広がり始めたとき、若きドイツ人設計技師ドーフマンが、残された機体で新しく飛行機を作り砂漠を脱出しようと提案します。
ベテラン機長フランクは、人力で飛行機を作るのは不可能に近いし、仮に作るにしても重労働で体力を奪うことになると言って反対しますが、座して死を待つよりはたとえ困難でも希望があったほうがいいというナビゲーターのルーの助言もあり、皆で協力して飛行機を作ることになります

予告編

製作、監督、ロバート・アルドリッチ
原作、エルストン・トレバー
脚色、ルーカス・ヘラー
撮影、ジョセフ・ビロック
音楽、フランク・デ・ボル
出演、ジェームズ・スチュワートリチャード・アッテンボローピーター・フィンチハーディー・クリューガーアーネスト・ボーグナイン、イアン・バネン、ロナルド・フレイザー、クリスチャン・マーカンド、ダン・デュリエ、ジョージ・ケネディ、アレックス・モントーヤ

ロバート・アルドリッチ監督の他の作品には、「何がジェーンに起こったか?」「北国の帝王」「カリフォルニア・ドールス」などがあります。魂を揺さぶられるようなガツンとした作品が多いです。
興味深いのは、出演俳優が、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアと、多国籍に集められている事です。ひょっとしたら、「素晴らしきヒコーキ野郎」に影響されたのかもしれません。

この映画は、オープニングがえらく格好良く、最初からワクワクしてしまいます。飛行機の不時着中のシーンで静止画にして、1人ずつキャストを紹介するというもので、その瞬間の切り取り方が絶妙です。
生死のドラマの他、男の意地や誇り、プロとしての矜持、男達の友情や絆など、骨太な人間ドラマが繰り広げられ、ただの脱出劇にはなっていません
意地や誇り、信念、勇気・・・。それらに殉ずる男、それらを放棄してしまう男、それらを取り戻す男。女が1人も出てこない(暑さで頭をやられた男の妄想でエキゾチックな美女が出るのみ)濃い男の映画(肉体労働映画)。観るべし!

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