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2009年06月26日 (金) | Edit |
1979年アメリカ作品。
暴君として知られるローマの皇帝カリギュラの治世をショッキングに描いた超大作(R-18)

紀元37年~41年。
帝政ローマ。
祖父の皇帝ティベリウスの死去により、帝位についたカリギュラ
先帝ティベリウスの圧制もあり、カリギュラの人気と期待は高く、周囲も歓迎します。
カリギュラは、力を持つ側近のマクロや弟のゲメルスを処刑し、絶対的な権力を手中にしていきますが、熱病に罹患した事や、最愛の妹ドルシラ(近親相姦関係)が病死した事で、精神のバランスを崩し、傍若無人な振る舞いを繰り返すようになってしまい……

予告編動画リンク

製作総指揮、ボブ・グッチョーネ
製作、フランコ・ロッセリーニ
監督、ティント・ブラス、ジャンカルロ・ルイ
オリジナル脚本、ゴア・ヴィダル
撮影、シルヴァーノ・イポリッティ
音楽、ポール・クレメント
出演、マルコム・マクダウェルピーター・オトゥールジョン・ギールグッドジョン・スタイナー、グイード・マンナリ、テレサ・アン・サヴォイ、ヘレン・ミレン

ボブ・グッチョーネは、雑誌ペントハウスのオーナーで、その資金力をバックに、この映画を製作しました。
ティント・ブラスは、エロと映画をこよなく愛する監督で、他の作品に、「SEX白/黒」「サロン・キティ」「鍵」などがあります。
ゴア・ヴィダルは、著名な小説家で、ノンクレジットですが映画「ベン・ハー」の脚本も手がけています。同性愛者としても知られています。
マルコム・マクダウェルは、「if もしも・・・・」「時計仕掛けのオレンジ」で大ブレイクした、個性派俳優です。下積みの若いころは、ヘレン・ミレンと同じ、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに在籍していたそうです。
ピーター・オトゥールサー・ジョン・ギールグッド、ロイヤル・アカデミー出身で、どちらも名優の中の名優です。ちなみに、ピーター・オトゥールは、この映画の撮影中、ずっとマリファナを吸っていたそうです。
ヘレン・ミレンは、今もなお輝き続けているイギリス出身の名女優です。2006年に「クィーン」アカデミー主演女優賞を受賞しています。
この作品で、なぜか坊主頭に一本の輝く細いテープを貼っているという奇天烈なファッションのカリギュラの側近を演じた、ジョン・スタイナーの他の出演作に、「サロン・キティ」「ヒッチハイク」「ザ・ショック」「シャドー」などがあります。

カリギュラのオープニングで流れる曲は、某携帯会社のCMにも使われているプロコフィエフのバレエ組曲ロメオとジュリエットの「モンターギュ家とキャピュレット家」参考リンク)です。
この映画は、登場人物の内面の描写や細かい流れなど、ほとんど無視されているので、何がどうなっているかが、よく分からなくなっています。ただただ、眼前でエロと残酷描写が繰り返されるだけです。どうしてかというと、まず脚本家のゴア・ヴィダルが、内容について製作側と揉め、降板。撮影終了後、監督のティント・ブラスの映像に、製作のボブ・グッチョーネの指示で、ハードコア・ポルノ映像が挿入、それと共に編集し直されてしまいます。追加した映像と辻褄を合わす為に、さらに追加撮影などが行われ、ずさんな管理によるフィルムの紛失や廃棄もあり、最初の原型とはかけ離れた、なんともカオスな作品になってしまったのです。他にも、妹役にキャスティングされていたマリア・シュナイダーの降板や、作品をめぐっての訴訟など、幾多のトラブルがつきまとい、撮影終了から公開まで約4年もかかってしまいました
この映画では、当時のローマの享楽的で退廃的な世界を表現する為(観客の興味を引く為)、男女問わず、素っ裸のエキストラが多勢出てきます。そして酒池肉林を繰り広げますもちろんハードコアポルノ有り
ちなみに、男のほうのエキストラは、その辺にいた小汚い労務者風の男が大半だそうで、女の方のエキストラは、綺麗でセクシーなペントハウス・ペットが起用され、からみのシーンでは、今までの人生では味わった事のない(そしてこれからも味わう事のないであろう)夢のような状況に興奮した男のエキストラが、すぐに射精してしまったそうです(どうでもいいか・・)
豪華なセットも見どころで、特に、巨大首刈り機(地面に埋められた人間の首を巨大な回転刃で刈り取っていく)は、必見です。
最後に、これは個人的な意見ですが、ボカシモザイクは、廃止すべきだと思います。はっきり言って、そうやって性器を隠すことに、何の意味も意義もないと思うからです


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テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画
2009年06月14日 (日) | Edit |
1970年製作アメリカ作品。
ケーブル・ホーグという男の数奇で風変わりな人生を描いたコメディタッチで寓話的な西部劇。

探鉱を生業とする男ケーブル・ホーグ。残り少なくなった水をめぐって、2人の仲間に裏切られてしまい砂漠の真ん中で水を奪われ置き去りに。砂漠を彷徨うこと4日、砂嵐に遭い、もはやこれまでかと倒れたところに、なんと水脈が。ホーグは奇跡的に助かります
さらにそこは、駅馬車が通る街道沿いで、長年水が出ないと思われていた所でした。周囲に水飲み場が全くなく補給場所として最適で、ここで商売を始めれば、成功は約束されたようなものでした。どこからともなく、ふらりと現れた、新しい宗教の牧師だと言うジョシュアという男の助言もあり、ホーグは、最寄の町に行き、土地の登記を済ませます。そして、その足で銀行に行き銀行家を説得100ドルの出資を引き出します
ホーグは、そのお金を元手に、駅馬車の駅を作り、商売を始めます。
粗野で無学だけれど人が良く正直なホーグは、徐々に周りの人に信用され、美人の娼婦ヒルディーと恋仲になったりしながら、順調に商売を成功させます。しかし、ホーグは、財を成しますが、町に移り住んだりせず、ずっと砂漠の真ん中にとどまり続けるのでした。ホーグは、かつての復讐を果たす為裏切った2人の男が再びこの地に現れるのを、待ち続けているのです
恋人の美人の娼婦ヒルディーや親友の怪しい牧師ジョシュアからも、復讐など忘れるように言われますが、ケーブル・ホーグは、頑固に、その場所にとどまり続け復讐相手を待ち続けます……

予告編動画リンク

製作総指揮、フィル・フェルドマン
製作、監督、サム・ペキンパー
脚本、ジョン・クロフォード、エドモンド・ペニー
撮影、ルシエン・バラード
音楽、ジェリー・ゴールドスミス
出演、ジェイソン・ロバーズステラ・スティーブンスデイビッド・ワーナーストローザー・マーティンスリム・ピケンズL・Q・ジョーンズ、ピーター・ホイットニー、R・G・アームストロング

暴力描写とスローモーション、詩的な美しい映像で知られるサム・ペキンパー監督の他の作品に、「ワイルドバンチ」「わらの犬」「ゲッタウェイ」「戦争のはらわた」などがあります。
撮影監督のルシエン・バラードは、この作品の撮影中、砂漠熱にかかり肺を失っています。他の担当作品に、「昼下がりの決斗」「ワイルドバンチ」「ジュニア・ボナー」「ゲッタウェイ」などがあります。
ジェリー・ゴールドスミスは、数多くの映画音楽を手がけている名作曲家で、他の作品に、「猿の惑星」「パピヨン」「チャイナタウン」「オーメン」「スター・トレック」「エイリアン」などがあります。
ジェイソン・ロバーズは、2年連続でアカデミー助演男優賞を受賞している名脇役です。サム・ペキンパー監督とは、同じ元海兵隊ということもあって、相性がよかったようです。
デイビッド・ワーナーは、「わらの犬」での知恵遅れの大男役や、「オーメン」でのガラスで首がちょん切れるカメラマンなどを演じており、名前は分からなくてもトラウマ的に覚えている人が多いのではないでしょうか
ストローザー・マーティンスリム・ピケンズL・Q・ジョーンズR・G・アームストロングは、ペキンパー作品によく出演している常連です。

この映画は、ペキンパーの作品の中では、一番宗教色が濃くアレゴリカルだと言っていいと思います。コメディタッチのせいでもあると思いますが、ストーリーに現実離れしている所があるのです
清教徒的な道徳と神への思慕、清教徒的な道徳を持つ善人面した人間への不信感や嫌悪感といった、ペキンパー独自の宗教観と、西部の開拓者精神に対するリスペクトが感じられ、その人物が無学で粗野であろうが何をしていようが、何も無いところを自らの力で開拓し生きて行く事は、例えそこに教会はなくとも牧師はいなくとも、神に祝福されているんだと、ペキンパーが言っている様な気がします。
ペキンパー作品は、何かに執拗に固執している主人公が多く、だいたいが、その固執のために、時代に取り残されたり大切なものを失ったりするのですが、この作品もそうで、ケーブル・ホーグは頑なに砂漠の真ん中にとどまり続け、復讐を果たそうとし、大切なものを失います。そんなはぐれ者たちを優しい目線で描くのもペキンパーの特徴です。
一回見ただけでは本当の良さが分からない映画なので、何回も見直すことをオススメします


テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画
2009年06月03日 (水) | Edit |
1970年製作アメリカ作品。
超高性能のコンピューターが人類に反旗を翻す傑作SF。

アメリカの天才科学者フォービン博士は、最高軍事機密スーパーコンピューター防衛システムを開発。コロッサスと名付けられた、そのコンピューターは、究極の電子頭脳を持ち、他国や自国からの、あらゆる攻撃に即座に対応でき核ミサイルも的確に撃ち落します。これで世界に平和がもたらされると思っていた矢先、コロッサスがソ連の同じようなシステムを探知します。ソ連のコンピューターは、ガーディアンと名付けられ、コロッサスと同じような機能を備えていました
コロッサスとガーディアンは互いにコンタクトを求め、ソ連とアメリカは、互いのコンピューターを回線でつなぎます。コロッサスとガーディアンは互いに同調し、新しいコンピューター言語を独自に開発会話を始めます。その会話は、人類には関知する事ができない為、機密の漏洩を恐れたソ連とアメリカの両首脳は、すぐさま回線を絶ちますが、すでにコロッサスとガーディアンは同化をしており、回線を復旧させないと、核をぶっ放すと脅し始めます。やむなく回線を復旧させる両国でしたが、人類の制御を離れたコンピューターは、暴走を始め……

予告編動画リンク

製作、スタンリー・チェイス
監督、ジョセフ・サージェント
原作、D・F・ジョーンズ
脚本、ジェームズ・ブリッジス
撮影、ジーン・ポリート
音楽、ミシェル・コロンビエ
出演、エリック・ブレーデン、スーザン・クラーク、ゴードン・ピンセント、ウィリアム・シャラート、レオニード・ロストフ、ゲオルグ・スタンフォード・ブラウン

地味ながら良作の多いジョセフ・サージェント監督の他の作品に、「ザ・マン/大統領の椅子」「白熱」「サブウェイ・パニック」「アメリカを震撼させた夜」などがあります。
脚本のジェームス・ブリッジスの監督、脚本作に、「ペーパー・チェイス」「チャイナ・シンドローム」「アーバン・カウボーイ」などがあります。

合理の極みのコンピューターが、絶大な権力を持ち、絶対的な存在になり、全人類を支配し管理する。コンピューターには、妥協躊躇心の痛みもなく、人類には、交渉も反抗も許されない。コンピューターは、目的遂行の為の、最短の答えをはじき出し、血も涙も無くそれを実行する。人類の抱える、あらゆる問題は解決し、人類の繁栄は約束されるが、全人類は、コンピューターの管理支配下に置かれてしまう。
なんと皮肉で恐ろしい映画でしょうか。時代は経ているとはいえ、色あせないテーマに、ジョセフ・サージェント監督の堅実で小気味いい演出。紛れもない傑作といえると思います
人類の自由と自尊心と引き替えに、飢えや貧困、戦争や人口問題など、あらゆる諸問題が解決し、繁栄が約束される。コンピューターのコロッサスは言います、「自尊心が傷つくだろうが、他民族に支配されるよりはマシだろう。人類も時が経てば支配され管理される事にも慣れていく。そして、やがては人類は我を愛するようになるのだ。」と‥
果たして、そのような未来は、人類にとって幸せなのか。いずれにせよ人類は、今現在も、まだまだ多くの問題を抱え、それを解決できないでいます。


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