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2010年10月23日 (土) | Edit |
1970年イギリス映画。
ハマー・プロ製作のドラキュラシリーズ第6作目。

灰塵となったドラキュラ伯爵。その死体に、吸血蝙蝠が生き血をポタリと落とすと、見る見るうちに失われた肉体が復活。再びこの世に蘇えったドラキュラ伯爵。
それから時がたち、街では学生でやんちゃなプレイボーイのポールが、市長の娘に手をだし、警察に追われる破目に。そして、ポールが逃げた先は、陰気な田舎の村でした。そこの村人は閉鎖的で、一様に皆暗い顔をし、余所者を頑なに拒んでいます。村人は誰一人として、ポールを泊めようとはせず、ただ立ち去れというのみです。
仕方なくポールは、村の先にある古びた城に逃げ込むのですが、そこはドラキュラ伯爵と使用人のクローブが棲む悪魔の城でした。何も知らないポールは、ドラキュラ伯爵に事情を話し、しばらくその城に滞在させてもらう事にします。
街では、なかなか帰ってこないポールを心配した兄のサイモンとサイモンの婚約者で美しい娘セーラが、ポールの後を追って、閉鎖的な村にたどり着きます。そこで、ポールの行方の聞き込みをしますが、村人は全く協力してくれません
そして、ポールと同じように城にたどり着いた2人ですが、ドラキュラの居城にはポールの姿はありませんでした……

予告編動画リンク

製作、アイダ・ヤング
監督、ロイ・ウォード・ベイカー
原作、ブラム・ストーカー
脚本、ジョン・エルダー
撮影、モーレイ・グラント
音楽、ジェームズ・バーナード
出演、クリストファー・リー、クリストファー・マシューズ、デニス・ウォーターマン、ジェニー・ハンレー、パトリック・トラウトン

ロイ・ウォード・ベイカーは、イギリスの映画監督で、ハマー・プロでは、「バンパイア・ラヴァーズ」「ドラゴンVS7人の吸血鬼」、アミカス・プロでは、「アサイラム/狂人病棟」などといった、ある意味ホラーファンからすれば、垂涎の作品を撮っています。
ジェームズ・バーナードは、ハマー・プロ製作の映画音楽のほとんどを手がけている、ハマープロお抱えの音楽家です。
クリストファー・リーは、説明するまでもなく、ハマー・プロ製作のドラキュラ伯爵で一世を風靡した俳優です。長身で堂々とした機敏でワイルドな体躯は、ユニバーサル映画のドラキュラ伯爵役のベラ・ルゴシと共に、ホラーファンに深く親しまれています。

この作品は、結構な量の残酷シーンがあるので、ハマー・プロ作品としては、やや異色といえるかもしれません。1970年代に入ってのドラキュラだけに、多少の時代的な要請があったのでしょう。ハマー・プロも末期の作品ですし、ドラキュラも飽きられてきた頃ですから。
現在見直すと、多少チャチなところ(ドリフのコントに出てくるようなコウモリなど)や低予算を感じさせるところもありますが、クリストファー・リーのドラキュラは、野性味たっぷりで迫力充分ですし、出演している女優も、適度な色気とスタイルがあり、吸血鬼ものとしてのツボを知り尽くした、ハマー・プロ製作映画ならではの面白さがあります。真っ赤な鮮血をはじめとする鮮やかな色彩退廃的なゴシックムード激しい残酷描写など、見どころの多い作品でもあるので、再見してみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。


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テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画
2010年10月10日 (日) | Edit |
1951年製作アメリカ作品。
皇帝ネロの時代のローマ帝国とキリスト教徒の受難を描いた歴史大作。

紀元64年。第14軍団長マーカス・ビニキウスが、副官ナーバと共に、アッピア街道を通りローマに凱旋。ビニキウスは、若くてハンサムな逞しく有能な指揮官です。
ローマ兵士達は、ブリテンとの3年に及ぶ戦いで疲れきり、故郷に一刻も早く帰りたがっています。しかし、皇帝ネロの命により、ローマの手前で待機し宿営することを余儀なくされます。
そこで兵士達を気遣ったビニキウスは、直接ローマの皇帝ネロの宮廷に出向きます。宮廷には叔父のペトロニウスがおり、ペトロニウスのはからいで、皇帝ネロに謁見する事が出来たビニキウスは、直接皇帝ネロに対し、ローマに兵士達が入れない事に対しての真意を尋ねます。すると、皇帝ネロは、別の軍団が次の日には凱旋してくるので、一緒に凱旋式を行いローマの権勢をアピールするのだといいます。
ペトロニウスにとりなされ、納得したビニキウスは、ペトロニウスの紹介で、一晩、元将軍のプラウティウスの家に宿泊する事になります。
そこで、ビニキウスは、美しい娘リジア運命の出会いをします。リジアは、将軍の養女で、元は人質としてローマに連れてこられた娘でした。ビニキウスは一目で心を奪われますが、実はリジアは、ローマ帝国とは相容れない教義を持つクリスチャンでした……

参考動画リンク

製作、サム・ジンバリスト
監督、マーヴィン・ルロイ
原作、ヘンリク・シェンキェヴィチ
脚本、ジョン・リー・メイヒン、S・N・バーマン、ソーニャ・レヴィエン
撮影、ロバート・サーティースウィリアム・V・スコール
音楽、ミクロス・ローザ
出演、ロバート・テイラーデボラ・カーレオ・ゲンピーター・ユスチノフ、パトリシア・ラファン、フィンレイ・カリー、エイブラハム・ソファー、マリア・ベルティ

当初の監督は、ジョン・ヒューストンだったのですが、MGM上層部と意見が合わず降板し、その後をマーヴィン・ルロイが引き継ぎ、この映画を完成させました。マーヴィン・ルロイ監督の主な作品に、「犯罪王リコ」「東京上空三十秒」「若草物語」「悪い種子(たね)」などがあります。
撮影のロバート・サーティースウィリアム・V・スコールは、共に一流の撮影監督です。どちらもオスカー受賞歴があります。
音楽のミクロス・ローザは、大作史劇が似合う、本格派の音楽家です。主な作品に、「白い恐怖」「ベン・ハー」「プロビデンス」などがあります。
レオ・ゲンは、元法律家で、ジョン・ヒューストンと相性が良く、皇帝ネロの側近で『サテュリコン』を執筆したといわれる史実の人物ペトロニウスにピッタリだという事でキャスティングされました。レオ・ゲンは、その期待に違うことなくペトロニウスを見事に演じています。
暴君ネロを演じたピーター・ユスチノフは、当時はまだ若く、大抜擢に近い配役でしたが、見事に名優振りを発揮し、狂気とユーモアを感じさせる独特なネロ像を創り上げ、素晴らしい演技を披露しています。
ちなみに、皇帝ネロに迫害されるキリスト教の信者役で、エリザベス・テイラーソフィア・ローレンがカメオ出演しています。

この作品は、ノーベル賞作家ヘンリク・シェンキェヴィチのエピック『クォ・ヴァディス』の映画化で、50年代のハリウッドにおいて、歴史超大作の火付け役となった作品です。クォ・ヴァディスとは、ラテン語で「どこに行くのか」という意味で、ペテロ(ピーター)が、ローマの郊外に現れた主に対し問いかけた言葉です。主はペテロに「我が民の為、もう一度十字架にかかりにローマへ」と言い、ペテロに、迫害されている信者達の窮地を伝えると共に、進むべき道を教えました。全てを悟ったペテロは、ローマに戻り、キリスト教の指導者として、バチカンの丘にて、自ら望んで逆さ磔にされ殉教しました。その殉教したとされる場所に、サン・ピエトロ大聖堂が建立されています。
この映画は、壮大なスケールのスペクタクルローマ史劇で、エキストラは最大3万人(6万人という説も)ともいわれ、大量の物資とスタッフを動員し、豪華なセットや衣装と共に、イタリアのチネチッタスタジオで製作されました。ロケ撮影も行われ、第二次世界大戦から復興していないイタリアは、さながら古代ローマのようであったといいます。ローマに続くアッピア街道も、ほぼそのまま撮影されたそうです。
大量のエキストラを動員したモブシーンや豪華な宮廷のセットは圧巻で、50年代のアメリカ資本でしか作れないスケールの大きさがあり、ストーリーとしては宗教的色彩が濃いですが、無宗教の人でも充分に観る事が出来る作品だと思います。恋愛ありアクションあり人間ドラマありの、盛りだくさんの娯楽作です


テーマ:DVDで見た映画
ジャンル:映画