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2010年12月20日 (月) | Edit |
1992年イタリア/アメリカ作品
伊と米のホラー映画界の大物監督2人が共作したオムニバス・ホラー。

『ヴァルドマー事件の真相』篇
遺産目的で、高圧的で独占欲の強い資産家の老人ヴァルドマーと結婚した若き悪女ジェシカ
やがてヴァルドマーは、体が弱り寝たきり状態へ。
ジェシカは、元恋人で医師のロバートと組み、もうすぐ生命の火が消えようとしているヴァルドマーに対し、催眠術をかけ、現金を生前贈与させたり、遺言状にサインをさせたりします。
しかし、ロバートが催眠を施術している途中で、突如、ヴァルドマーが息を引き取ってしまいます。全ての財産を相続していないジェシカとロバートは、考えた末、全ての財産をネコババするため、地下の大きな冷凍庫ヴァルドマーの死体を隠す事にします
そして、ヴァルドマーがまだ生きてるように偽装します。
しかし、その日から、夜な夜な地下の冷凍庫から、死んだはずのヴァルドマーの苦しそうなうめき声がするようになり……

『黒猫』篇
カメラマンのロッド。猟奇的な殺人事件や残酷映像を専門にするカメラアーティストです。アーティストらしく、ロッドは気難しい性格の粗暴な男です
ある日、同棲相手の恋人アナベルが、一匹の黒猫を拾ってきます。ロッドは、仕事の邪魔をしたり、いっこうに懐かない黒猫に対し、嫌悪を募らせ、憎むようになります。
恋人アナベルとの仲も怪しくなり、不満を募らせたロッドは、衝動的に黒猫を絞殺。そして、その様子をカメラに収めます
しかし、その日を境に、ロッドの身の回りで、猫にまつわる幻想不可思議な出来事が起こるようになり……

予告編動画リンク

製作総指揮、クラウディオ・アルジェント
製作総指揮、監督、脚本、ダリオ・アルジェント(「黒猫」篇)
監督、脚本、ジョージ・A・ロメロ(「ヴァルドマー事件の真相」篇)
原作、エドガー・アラン・ポー
脚本、フランコ・フェリーニ(「黒猫」篇)
撮影、ピーター・レニエ、ベップ・マッカリ
音楽、ピノ・ドナッジオ
特殊メイク、トム・サヴィーニ
出演
「ヴァルドマー事件の真相」篇
エイドリアン・バーボー、レイミー・ゼダ、ビンゴ・オマリー、E・G・マーシャル
「黒猫」篇
ハーヴェイ・カイテル、マデリーン・ポッター、ジョン・エイモス、サリー・カークランド、キム・ハンター、マーティン・バルサム

ダリオ・アルジェントジョージ・A・ロメロは、このブログでも何度も紹介してるような気がするので割愛します。どちらもホラー映画界では、超大物です。
音楽のピノ・ドナッジオは、ブライアン・デ・パルマ監督の作品などで御馴染みです。B級映画が多いですが、イタリアの名作曲家です。
トム・サヴィーニは、特殊メイクの神的存在です。人体のリアルさの追求においては、他の追随を許さない人物です。ちなみに、「黒猫」篇で、変態殺人犯役でカメオ出演しています。
エイドリアン・バーボーは、ジョン・カーペンター監督の元妻で、「ザ・フォッグ」「ニューヨーク1997」などに出演しています。
「ヴァルドマー事件の真相」篇では、ロメロの奥さんである、クリスティーンが看護婦役でカメオ出演しています。
「黒猫」篇には、ハーヴェイ・カイテルマーティン・バルサムという2人の個性派の名優が出演しています。この2人は、出演作が何でもあり的な感じが似ていると思います。

この映画、当初は、ジョン・カーペンタースティーヴン・キングを加えた4人の監督でのオムニバス映画を予定していましたが、両者に断られてしまい、アルジェントとロメロ監督2人のオムニバスとなってしまいました。
エドガー・アラン・ポーの小説を映像化している映画で、2人の監督のポーに対する思い入れが、激しく表出していて興味深いです。ポーの大ファンでポーの世界が大好きでたまらないダリオ・アルジェントに対し、ジョージ・A・ロメロの方は、ポーの小説は読んだ事はあるけど別に・・という、ある種冷めた態度(プロ的)が見受けられます。両監督の、そのポーに対する思い入れの差が、作品にもはっきり表れており、アッサリ風で自分の主張を前面に出しているロメロに対し(ゾンビも出るしアメリカ的な消費社会への批判的態度も)、アルジェントは、ポーの世界の自分なりの映像化を目指し、幻想的で映像テクニック中心の作品を作っています。両監督の資質や特徴の違いが、本当に良く分かり、個人的には大いに楽しめました。
なお映像特典では、当時14歳アーシア・アルジェントの姿が拝めたりもしますよ。


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2010年12月04日 (土) | Edit |
2003年アメリカ作品。
150年前の怨みが現代に降りかかるホラー。

150年以上前から伝わる話。
ダークネス・フォールズという小さな港町に、マチルダ・ディクソンという、気のいいおばあさんが住んでいました。彼女は、子供が好きで、乳歯がぬけた子供に、お祝いとして金貨を与えていました。ある日、灯台の近くの彼女の屋敷が火事になり、マチルダの顔は、不幸にも醜く焼け爛れてしまいます
それからのマチルダは、日光と人を避けるように暮らし、不気味な陶磁器のマスクを付け外出するように。
そんなある日、マチルダの家に行くといって子供が2人行方不明になります。マチルダを犯人と決めつけた港町の住人達は、マチルダを吊るし首にして処刑。しかし、その後すぐ2人の子供は発見され、住人達は、無実のマチルダを処刑してしまった事に気付きます。しかしこうなっては後の祭り、このことは自然と住人達の公然の秘密となり、時が経つにつれ、子供の最後の乳歯が抜けた夜、歯の妖精となったマチルダが、乳歯を取りにやって来て、顔を見てしまった子供を殺してしまうという言い伝えに変化します。
現代。
ダークネス・フォールズに住むカイル少年は、最後の乳歯が抜け、枕の下に乳歯を置き眠りにつきます。しかし、言い伝えが恐く、なかなか眠れません。その時、妙な音がし、カイル少年はついつい音のする方向を見てしまいます。するとなんとそこには、伝説のマチルダの禍々しい姿が
パニックになったカイル少年は、明かりの方に逃げ出しなんとか助かりますが、騒ぎを聞きつけ駆けつけた母親が、マチルダによって、瞬殺されてしまいます
翌朝、なんとか生き残ったカイル少年ですが、母親殺しの汚名を着せられ、精神病の施設へ送られる事に。
12年後。
すっかり大人になったカイル少年。ですが、カイルは、マチルダの幻影におびえ、暗闇を避け、精神病薬懐中電灯が手放せない、病的な日々を送る孤独な男になっていました。
そんなある日、ダークネス・フォールズに住んでいた頃の幼馴染み初恋の女性ケイトリンから、カイルに電話がかかってきます。ケイトリンの幼い弟が、暗闇を極端に恐れ、妖精を恐がっていると言うのです。ケイトリンは、同じような体験をしたカイルに、アドバイスを求めてきたのです。
ケイトリンの幼い弟が、自分と同じ様にマチルダに狙われている、そう直感したカイルは、自分の過去を克服し、さらにはケイトリンの幼い弟を救う為決死の覚悟でダークネス・フォールズへと向かいます……

予告編動画リンク

製作総指揮、デレク・ドーチー、ルー・アーコフ
製作、ジョン・ヘイゲマン、ウィリアム・シラック、ジェイソン・シューマン
監督、ジョナサン・リーベスマン
製作、脚本、ジョン・ファサーノ
脚本、ジェームズ・ヴァンデルビルト
撮影、ダン・ローストセン
音楽、ブライアン・タイラー
出演、チェイニー・クレイ、エマ・コールフィールド、リー・コーミー、グラント・パイロ、サリヴァン・ステイプルトン

撮影のダン・ローストセンの他の作品に、「ミミック」「ジェヴォーダンの獣」などがあり、暗闇の撮影を得意とするカメラマンです。
音楽のブライアン・タイラーは、近頃、手がける映画音楽の量が増えてきた、若手作曲家の有望株です。

無名の若手監督に、若手のキャストで、予算を抑えながら、最大の収益を上げるという、ホラーというジャンル映画の、昔からのビジネスモデルにのっとった作品です。撮影の大半は、コストのかかるアメリカ本国ではなく、オーストラリアにて行っています。この作品はヒットし、若手のキャストやスタッフに道を開くと同時に、製作側に多額のマネーをもたらしました。製作者の目論見通りといったところでしょうか。
オーストラリアの港町ポートフェアリーに住んでいたマチルダ・ディクソン伝説を元にして、歯の妖精が実は、怪物になったマチルダの怨霊だったというアイデアと、妖精を見たら最後死ぬまで狙われるという事、妖精は暗闇にいる時だけ襲ってくるという、2つの決まりごとが、この作品をユニークでゲーム的な面白さがある娯楽作にしています。なお、歯の妖精のマチルダの怪物のイフェクツを手がけたのは、スタン・ウィンストン・スタジオです。
演出もそれほど過度ではなく、残酷シーンも直接描写を避けているので、家族でも観ることが出来ると思います。コアなホラーファンには、物足りないかもしれませんが、ライトな層にはちょうどいい映画です。
参考として、歯の妖精の風習を説明すると、子供が枕の下に乳歯を置き、眠りにつくと、その夜、歯の妖精が乳歯をコインと取り替えてくれるというものです。もちろん、親がそっとコインと取り替えてあげるのは言うまでもありません。日本にも、乳歯を後ろ向きに屋根に投げるとかなんとか、場所によって乳歯の風習が色々ありますよね。


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